「システムエンジニアにはどんな人が向いているのか?」
「自分はエンジニアに向いていないのでは?」
「システムエンジニアはキツイと聞くけど仕事内容は?」
そんな悩みにお答えしていきます。
現在のビジネスシーンでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やクラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能(AI)などの最新技術の活用が急速に進んでいます。
2023年に発表されたIPA情報処理推進機構「DX白書2023」では、日本の企業の8割が「DX推進人材不足」だと回答しており、エンジニアは今後ますます求められるでしょう。
そんなシステムエンジニアになりたいけど、自分が向いているかどうか分からず不安を感じている人は多いです。
特にIT技術の急速な進化の中で、自分が適応できるかどうか心配する人は多いでしょう。
自分では向いているかどうか分からないために、キャリアを選択する機会を逃してしまう可能性もあります。
そこでこの記事では、システムエンジニア歴28年の私が実際にたくさんのシステムエンジニアを見てきた経験をふまえて解説します。
- システムエンジニアの仕事について
- システムエンジニアに向いている人の特徴
- システムエンジニアに向いていない人の特徴
- システムエンジニアの適性診断を受けてみよう
この記事を読めば、あなたも自分がシステムエンジニアに向いているか確認できるでしょう。
ぜひ最後まで記事を読んで、システムエンジニアの適性診断を受けてみてください。
システムエンジニアについてサクッと解説

ここではシステムエンジニアの仕事内容などについて、実際の私の経験から、簡単に解説します。
- システムエンジニアとは
- ITエンジニアとシステムエンジニアの違い
- システムエンジニアの仕事内容
- システムエンジニアに必要なスキルや知識
一つずつ見ていきましょう。
1.システムエンジニアとは
システムエンジニアは、システムの設計や開発を行う仕事で、要件定義/設計の上流工程を担当し、開発やテストの下流工程を管理し、プロジェクト全体のマネジメントを行う職種です。
2.ITエンジニアとシステムエンジニアの違い
システムエンジニアと似た言葉に、ITエンジニアやプログラマがあります。
混乱している人も多いのではないでしょうか。
ITエンジニアとは、ITの分野においてエンジニアリングに関する専門スキルを有する人材を指します。
従って、システムエンジニア・プログラマー・サーバーエンジニア・ネットワークエンジニアなどは、全てITエンジニアのカテゴリに属する職種となります。
ITエンジニアには以下のような職種が含まれます。
引用元: IT・エンジニアの職種図鑑
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- プロジェクトリーダー
- システムエンジニア
- プログラマー
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
- 運用保守システムエンジニア・障害対応
- テクニカルサポート
- 社内システム(社内SE)
- 製品開発/研究開発
- 品質管理(QC)/品質保証(QA)
- システム運用
- インフラエンジニア
- Webエンジニア
プロジェクトによっては、一人のエンジニアがいくつもの職種の役割を担うことが多いです。
3.システムエンジニアの仕事内容

システムエンジニアの仕事内容は以下の通りです。
- 要求分析・要件定義:ユーザーのニーズをヒアリングし要求分析を行い、システム要件に落とし込む
- 基本設計:システムの構造や機能を定義する
- 詳細設計:機能がどのように実装されるかを設計する
- 結合テスト:基本設計の確認を行うテスト
- システムテスト:要件定義の確認を行うテスト
- マネジメント
システムエンジニアが作成した設計書を元に、プログラマーが「開発・製造」(プログラミング)を行います、
プログラム単位のテスト(単体テスト)はプログラマー(あるいはテスター)が行うのが一般的です。
ユーザーとプログラマーの間を「設計」を使って繋げるのが、システムエンジニアの仕事でもあります。
以下は、プロジェクトによって、システムエンジニアが担当することが多い職種です。
- プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー
- データベースエンジニア、Webエンジニア、プログラマー
- 運用保守システムエンジニア・障害対応、テクニカルサポート
ここに運用保守が含まれる理由は、本番稼働したシステムに対し、継続してユーザーからの問い合わせ対応や、障害対応、保守作業などを行うためです。
これは、システムエンジニアがシステムの詳細に最も精通していることから、ユーザーから信頼され、保守業務も依頼されることが多い状況を表しています。
4.システムエンジニアに必要なスキルや知識
システムエンジニアは、いろいろな役割を担うことから多くのスキルや知識が要求されます。
- システム開発・構築に関するスキル
-
- システム開発モデルの理解
- 設計書作成・レビュー
- データベース
- プログラミング
- システム開発を円滑に進めるためのマネジメントスキル
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- プロジェクトマネジメント
- ユーザーとの仕様調整
- 開発部門や他の企業との調整や交渉
- プロジェクトチームをまとめる(メンバー管理)
- ユーザの業務を理解するためのスキル
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- 業界知識
- 業種知識
- 業務知識
- ITの基礎スキル全般
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- サーバー関連
- ネットワーク関連
- セキュリティ関連
システムエンジニアのキャリアとして、最初はプログラマーから始める人が多いです。
なぜなら、プログラムの作りを理解していないと設計書が作成できなかったり、プログラムが動くイメージができないとテストができなかったりするためです。
ネットワークやサーバー等については、高度な知識はなくてもユーザーと話ができるくらいの基礎スキルは必要です。
これらのスキル・知識を一度に習得するのは難しいため、まずは何か自分の武器になるものを絞って力をつけて、徐々に知識や経験を増やしていきましょう。
システムエンジニアに向いている人の特徴7選

システムエンジニアに向いている人には次のような特徴があります。
- コミュニケーション能力が高い
- 調整力が高い・解決力が高い
- トラブルに臨機応変に対応できる
- 好奇心旺盛で学習意欲が高い
- 変化への適応力が高い
- 論理的に物事を考えられる
- 体力に自信がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.コミュニケーション能力が高い
システムエンジニアには、高いコミュニケーション能力と優れたヒアリング能力が不可欠です。
ユーザーとのコミュニケーションはいうに及ばず、ニーズを引き出すためには、特にヒアリング能力が重要となります。
システム開発はチームで行うため、チームメンバーとの効果的なコミュニケーションもプロジェクトの円滑な進行に不可欠です。
技術的なスキルも大切ですが、コミュニケーション能力が全般的に高い人は、システムエンジニアに向いているといえるでしょう。
2.調整力が高い・解決力が高い
システムエンジニアに向いている人は、調整力と解決力に優れている特徴があります。
多くの関係者が関与するプロジェクトにおいて、異なる意見や要望を効果的に調整し、問題を迅速に解決する能力が求められるからです。
例えば、ステークホルダー間の意見の相違を調整し、適切な対案を提示したり、時には譲歩したりすることは、プロジェクトのスムーズな進行に不可欠です。
Win-Winな結果になるよう意識して動ける調整力が必要となるでしょう。
3.トラブルに臨機応変に対応できる
システムエンジニアには、トラブルに臨機応変に対応できる能力が重要です。
開発中には予期せぬ問題が発生するため、柔軟かつ迅速に対応する能力が欠かせないためです。
トラブル発生時、慌てずに現状を把握し、暫定対応で被害の拡大を防ぎながら問題の切り分けと原因特定を行い、適切な解決策を導き出すことが求められます。
システムが正常に動かない状態が続けば、ユーザーにとって大きな損害となり、信頼を失うことになります。
トラブルのときこそ、ユーザーはシステムエンジニアの力量を量っているものです。
必要であれば専門チームへの支援を求める臨機応変さも必要です。
4.好奇心旺盛で学習意欲が高い
システムエンジニアにとって、好奇心旺盛で学習意欲が高いことはとても重要です。
IT業界は絶えず進化しており、新しい技術やトレンドを習得することが不可欠だからです。
例えば、最初はプログラマーやテスト担当から始めても、徐々に上流工程に関わることになるため、新しい工程や技術に好奇心を持って積極的に学ぶ姿勢が求められます。
また、ユーザーの業務や運用を理解しなければ高品質な設計が行えないため、これらについても好奇心をもって学ぶ気持ちが必要です。
常に学ぶことを楽しむことができる人は、システムエンジニアとして成功するための重要な資質を備えていると言えるでしょう。
5.変化への適応力が高い
IT技術の変化に対する適応力は、システムエンジニアにとって非常に重要なスキルです。
なぜなら、IT技術の進歩は速く、これらを迅速に理解し適用する必要があるからです。
また、新技術の導入はユーザーの業務プロセスを効率化し、企業の競争力を高めることにつながります。
日々進化するセキュリティ脅威に対応するため、最新のセキュリティ技術を適用したり、市場ニーズの変化に応じて、ビジネス要件の変化に対応することも必要です。
例えば、新しいクラウド技術やAIの登場により、これらを迅速に学び、プロジェクトに適用できるシステムエンジニアはユーザーの課題解決に大きく貢献できるでしょう。
変化への適応力は、現代の変化が激しいビジネス環境でシステムエンジニアに求められる不可欠なスキルです。
6.論理的に物事を考えられる
システムエンジニアにとって、論理的に物事を考える力は非常に重要です。
システム開発とプロジェクトマネジメントの両面で必要な能力だからです。
例えば以下が挙げられます。
- システム設計:論理的に考える能力がなければ、効率的かつ機能的なシステム設計は不可能です
- トラブル対応:トラブル発生時に、論理的思考により原因を特定し、効果的な技術的解決策を導き出すことができます
- プロジェクトマネジメント:計画立案やリスク管理、意思決定を論理的に行うことで、プロジェクトを成功に導くことができます
- リソース管理:限られたリソースの中で、最優先のタスクを論理的に選択し、効率的にプロジェクトを遂行できます
論理的思考能力は、システムエンジニアが複雑な課題を解決し、プロジェクト運営を行う上でも不可欠な要素といえるのです。
7.体力に自信がある
システムエンジニアには、長時間の作業や厳しい納期に耐えるための体力が不可欠です。
プロジェクトの状況によっては長時間作業や厳しい納期、緊急の対応が求められることがあるため。
また、納期のプレッシャーやトラブルが発生した時の精神的ストレスに耐えなければなりません。
体力的にも精神的にもタフでなければ務まらない状況があるのです。
上手にストレスを発散してメンタルケアができたり、生活に運動を取り入れて体力向上の工夫ができる人は、システムエンジニアに向いているといえるでしょう。
システムエンジニアに向いていない人の特徴3選

これまでさまざまなシステムエンジニアと仕事をしてきた私が、向いていないと感じた人の特徴は次の3つです。
- 課題意識や改善意識が低い人
- コツコツした作業ができない人
- 想像力・創造力が乏しい人
自分にあてはまる点がないか確認してみましょう。
1.課題意識や改善意識が低い人
システムエンジニアにとって、課題意識と改善意識はとても重要な感性です。
課題意識が低いと問題に気づかなかったり、気づいても放置したりという状況が発生してしまいます。
改善意識が低いといつまでも同じことの繰り返しで、質の向上や効率化が図れません。
常に「課題は何か?どう改善すべきか?」を考える姿勢が必要です。
システム開発において、未解決の課題が残ってしまうと、システムの不具合につながり、最悪の場合、ユーザーのビジネスに悪影響を及ぼすリスクがあります。
また、プロジェクトマネジメントやユーザー対応においても、課題を見つけ、積極的に改善策を提案することが重要です。
したがって、課題意識や改善意識が低い人は、システムエンジニアとしての役割を十分に果たすことが難しいと言えるのです。
2.コツコツした作業ができない人
システムエンジニアには、細かく地道な作業をコツコツと行う能力が必要です。
特に、設計、製造、テスト工程において、地道な作業が多く、これらは正確かつ継続的な注意が必要です。
例えば、設計書の作成やレビュー、プログラミング、テストなどは、繰り返し行われる作業であり、細部にわたる注意と精度が求められます。
これらの作業でミスがあれば、プロジェクト全体の進捗や品質に影響を与えることもあります。
これらの地道な作業をコツコツと、かつ、正確に対応できない人は、システムエンジニアに向いていないと言えるでしょう。
3.想像力・創造力が乏しい人
想像力や創造力が乏しい人は、システムエンジニアに向いていない可能性があります。
意外かもしれませんが、ユーザーのニーズを設計に落とし込む作業には、まさに想像力と創造力が必要なのです。
例えば、要件定義の工程では、ユーザーのぼんやりとしたニーズや、ユーザが期待する未来を想像し、それを具体的なシステム要件に落とし込む必要があります。
これには、まだ実現していないシステムや機能を想像し、実現可能なシステムとして創造する能力が求められるのです。
システムエンジニアの適性診断を受けてみよう
システムエンジニアの適正を客観的にできるサイトを3つ紹介します。
- エンジニアリング業界への適性診断(一般財団法人エンジニアリング協会)
- システムエンジニア適性診断(Questi)
- ITキャリア診断(侍エンジニア)
実際に私がやってみて、システムエンジニアの一面を診断できていると思った診断を挙げました。
エンジニアリング業界への適性診断
「エンジニアリング業界への適性診断」は、一般財団法人エンジニアリング協会による適正診断です。
エンジニアリング業界で、特にプロジェクトを進める立場の役割の人が、一般的にどのような行動が適当とされるかの標準的なケースを基にしています。
プロジェクトマネジメントの考えや行動を問う質問となっているので、チェックしてみてください。
質問数は15問です。
また、「この診断であまり正解が多くない場合でも、「日常的な行動自体を経験と学習によって変化させる」こともこの業界で働く上での重要な要素となることから、適性がないと決めつける必要はありません」と書いてありました。
気軽に受けてみてくださいね。
システムエンジニア適性診断
「システムエンジニア適性診断」はQuestiによる職業別の適正診断です。
Questiは「理想の就活/転職のための自己分析サイト」で、職業別適正診断の「IT業界」には、プログラマーやインフラエンジニア、データベースエンジニアなど、全35職種があります。
システムエンジニアはいろいろな職種の役割を兼ねることが多いので、いろいろな職種の適性診断をしてみましょう。
簡単な10問の質問に答えるだけでチェックできます。
ITキャリア診断
「ITキャリア診断」は侍エンジニアによる適正診断です。
簡単な5問の質問に答えると、ITエンジニアの中のどの職種に向いているかを診断してくれます。
実際に受けてみると「データサイエンティスト」「フロントエンドエンジニア」「Webデザイナー」などが出ました。
どの職種が向いていると言われるか、楽しみながら診断できますよ。
ぜひこの記事を参考に、自分自身を振り返り、あなたの適性を診断してみてください。
一番のおすすめの適性診断は、「エンジニアリング業界への適性診断」です!
ぜひチェックしてみてくださいね!